野田地図

日本語/ENGLISH
新着情報公演情報出演者コラム対談書籍・DVD夢の遊眠社PROFILE

公演
  • 07NODAMAP第13回公演
      キル
      2007年12月 〜 2008年01月
  • 07 NODA・MAP番外公演 ■ロンドンバージョン
      THE BEE
      2007年07月 〜 2007年07月
  • 07 NODA・MAP番外公演 ■日本バージョン
      THE BEE
      2007年06月 〜 2007年07月
  • 06 NODA・MAP第12回公演
      ロープ
      2006年12月 〜 2007年01月
  • 06 NODA・MAP英国公演
      THE BEE
      2006年06月 〜 2006年07月
  • 05 NODA・MAP第11回公演
      贋作 罪と罰
      2006年02月 〜 2006年02月
  • 04 NODA・MAP第10回公演
      走れメルス
      2004年12月 〜 2005年01月
  • 03 NODA・MAP第9回公演
      オイル
      2003年05月 〜 2003年06月
  • 03 NODA・MAP 英国公演
      RED DEMON
      2003年01月 〜 2003年02月
  • 01 NODA・MAP スペシャルステージ
      2001人芝居
      2001年02月 〜 2001年02月
  • 00 NODA・MAP番外公演 第4弾
      農業少女
      2000年10月 〜 2000年11月
  • 00 NODA・MAP第八回公演
      カノン
      2000年05月 〜 2000年05月
  • 99 NODA・MAP第七回公演
      パンドラの鐘
      1999年11月 〜 1999年12月
  • 99 NODA・MAP第六回公演
      半神
      1999年05月 〜 1999年05月
  • 98 NODA・MAP番外公演
      Right Eye
      1998年12月 〜 1999年01月
  • 98 NODA・MAP第五回公演
      ローリング・ストーン
      1998年05月 〜 1998年05月
  • 97 NODA・MAP第四回公演
      キ ル
      1997年07月 〜 1997年08月
  • 96 NODA・MAP番外公演
      赤鬼
      1996年10月 〜 1996年11月
  • 96 NODA・MAP第三回公演
      TABOO
      1996年04月 〜 1996年05月
  • 95 NODA・MAP番外公演
      橋爪功VS野田秀樹 二人芝居「し」
      1995年12月 〜 1995年12月
  • 95 NODA・MAP第二回公演
      贋作 罪と罰
      1995年05月 〜 1995年06月
  • 94 NODA・MAP第一回公演
      キ ル
      1994年03月 〜 1994年03月

贋作 罪と罰

アウトライン キャスト スタッフ
贋作 罪と罰
1995年発表の野田版サスペンスが、絶妙のキャスティングとともに待望の復活!ロシアの文豪ドストエフスキーの名作「罪と罰」が、幕末の日本を舞台に、大胆不敵な<野田ワールド>へと変貌する。

1995年春。この作品は、NODA・MAP第2回公演として、その初演の幕を上げました。

野田秀樹は、前年に、英国留学から帰国。その復帰作として、NODA・MAP初の作品「キル」を発表。

劇場空間に、自由自在な発想で、圧倒的なダイナミズムと情感溢れる世界を創出し、大きな賞賛を受けました。当然、演劇ファンや演劇界は、この才人が、第2弾に何を仕掛けてくるのか、大きな期待で彼を注視。そんな中で、彼が次回作として選んだ題材が、ロシアの文豪ドストエフスキーの名作「罪と罰」の戯曲化だったのです。

野田秀樹は、常々、ドストエフスキーが描くこの長編小説を、<追い詰める側と追い詰められる犯人側との"刑事コロンボ"的な一級のサスペンス劇>ととらえていました。

まず、彼は、この「人間の贖罪」という深遠なテーマに帰結する名作の時代設定を、原作の帝政ロシアから「罪と罰」執筆と同時代の江戸末期へ移行。主人公を、ロシアの貧しい大学生から、幕末の江戸開成所に学ぶ女塾生に置き換えました。そして、原作がもつサスペンス的な要素に、かつて、"理想"というものを追い求めて生きた者たちの姿を二重写しにし、野田流の大胆不敵なアプローチで、<宗教のない"日本"という国に生きる日本人の姿>を描き出そうとしました。

しかし、初演の1995年春。日本は、甚大な被害にみまわれた阪神・淡路大震災と、一連のオウム真理教事件の渦中にあり、我々日本人の心も激しく揺らいでいました。

そんな世情の中、『超人には、人類のために既成の道徳法律を踏み越える権利がある・・・・』という原作の主人公・ラスコーリニコフの倫理を転生させ、幕末の日本で、その思想を実行に移してしまう女主人公・三条 英(さんじょう はなぶさ)の姿に、当時の観客たちは、現実の世相や陰惨な事件とのリアルなシンクロニシティを見出し、大きな戦慄を覚えたのです。

それに加えて、野田が創り出す、スリリングな劇構造の醍醐味と、終幕に訪れるカタルシスの凄絶な美しさゆえに、この作品は、その後に続く一連のNODA・MAP作品群の中でも、孤高の輝きを放つ存在として見なされてきたのでした。

そして、初演から10年の時を経た2005年の今日。
遂に、私どもNODA・MAPは、この珠玉の作品に、新たに向き合う決断をいたしました!

現代演劇界の若き中心人物・松 たか子 を始めとする傑出した才能たちが、この作品をもって、NODA・MAP=野田秀樹を新たなステージへと導く、と確信したからなのです。

出演は、イラク戦争勃発時に発表された問題作「オイル」での、あの凄惨な叫びが、今も心に切なく響く松 たか子が、2作目の野田作品に挑む他、野田を刺激して止まないメンバーが勢揃いしました。

まず、前作第10回公演「走れメルス」からの連投で、野田作品6作目の出演・古田 新太、番外公演「赤鬼」出演から約10年ぶりの野田作品となる 段田 安則、舞台・映像の両世界で、唯一無比の存在感を示す 宇梶 剛士 という3名のツワモノ男優陣が<松=三条 英>とガッチリと対峙。
そして、10代少女の間でカリスマ的存在として人気を集めている美 波 が、オーディションを経て本作で本格的に舞台に進出します。

また、脚本・演出・俳優とマルチに活躍、「ジョビジョバ」解散後初の舞台出演が注目される マギー、「劇団☆新感線」の音楽面での懐刀であり、野田作品にも縁が深い右近 健一、「走れメルス」に続いての出演となるサモ・アリナンズ主宰者・小松 和重、外部プロデュース公演でも精力的な活躍が目立つナイロン100℃の村岡 希美、「猫のホテル」創設メンバーで看板役者として人気が高い中村 まこと、「オイル」以来の野田作品出演となる注目の若手・進藤 健太郎 という贅沢な布陣です。本来この作品がもつ、「ヒューマニズム」、「ロマンティシズム」、「サスペンス」、「ダイナミズム」という高いエンタテインメント要素を、より明確に際立たせるキャスティングが実現しました。

野田演出の下で、彼らひとりひとりがどんな姿に変容し、新しい魅力を見せてくれるのか、または、虎視眈々とどんなワザを仕掛け、野田演出に勝負を挑んでくるのか……、この顔ぶれも、とてもスリリングな期待感に満ちています。
また、今回、NODA・MAP本公演では初めて、客席構造を大幅に変え、舞台を客席の中心に設置。

舞台上と観客の心理を、より密接に結びつける臨場感溢れる舞台構造にも、注目必至です。

初演から10年の時を経て、新たに野田秀樹がこの作品にこめるメッセージを、是非、劇場空間でお確かめください!
NODA・MAP第11回公演「贋作・罪と罰」に、ご期待ください!

◆ものがたり◆

江戸開成所の女塾生・三条 英(さんじょう はなぶさ) には、ある確固たる思想があった。

『人間はすべて凡人と非凡人との二つの範疇に分かたれ、
非凡人はその行動によって歴史に新しい時代をもたらす。
そして、それによって人類の幸福に貢献するのだから、
既成の道徳法律を踏み越える権利がある。』

その思想に突き動かされ、英はかねてよりの計画通り、金貸しの老婆殺害を実行に移してしまうが、
偶然そこに居合わせた老婆の妹までも手にかけてしまう。
この予定外の殺人が、英の思想を揺さぶり、心に重い石を抱かせてしまう。
殺人事件の担当捜査官・都 司之助(みやこ つかさのすけ)は、事件の確信犯的な性質を見抜き、次第に
英に対して疑惑の目を向け始めた。
それに気づいた英は、都の仕掛ける執拗な心理戦を懸命にしのごうとする。
一方、英の親友・才谷 梅太郎(さいたに うめたろう) は、罪の意識に苛まれ苦しむ英の異変に気づき、その身を案ずるが、才谷もまた、同時代の、より大きな歴史的事件の渦中にいたのだった。

1867年夏。
時あたかも尊王倒幕の機運高まる幕末の真っ只中、「ええじゃないか」踊りが江戸市中を埋め尽くす。
新しい時代を目前に、無血革命を目指す、坂本竜馬。
竜馬の密通を疑い、武装蜂起を煽る志士たち。
そして、彼らの背後では、ニヒリスト溜水 石右衛門(たまりみず いしえもん) が暗躍する。

果たして、目的は手段を浄化するのか?!
永遠の命題が甦る革命前夜、
ついに三条 英が心のうちを語り始める・・・・・!